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 トヨタ自動車は、09年5月に発売予定のハイブリッド車「プリウス」の新モデルの最低価格を、205万円程度とする方針を固めた。現在のプリウスの最低価格より30万円近く安くなる見込みで、ホンダが2月に発売したハイブリッド車「インサイト」が最低価格189万円の低価格を売りに受注を伸ばしていることから、価格戦略を見直して対抗する。

 3代目となる新型プリウスは排気量を1500ccから1800ccにアップしながら燃費も向上させるなど、大幅な機能改善にともなって予想販売価格も250万円程度になるとみられていた。しかしこの価格設定では、最低価格が189万円のインサイト(ホンダ)と比べると約60万円も高くなってしまい、この価格差が消費者にどう受け止められるかが、新型プリウスの懸念材料にもなっていた。だが最低価格を現在の233万円から205万円程度に引き下げることで、インサイトの最低価格189万との価格差は15万円程度に縮まることになる。

 トヨタが値下げに踏み切る背景には、世界的に自動車の新車販売が低迷する中で、2月に発売したインサイトの販売が発売後約1ヵ月で1万8000台の受注を達成するなど低価格を売りに好調に推移していることがある。今年ホンダの新社長となる伊東孝紳氏が「燃費や環境性能に優れた車を比較的求めやすい値段で提供していく」と低価格戦略を重視しているように、インサイトは開発費のかかるハイブリッド車でありながら、部品の小型・軽量化で製造コストの削減を進め低価格を実現した。

 低価格でライバルとの競争で優勢にまわったインサイトだったが、今後はプリウスと価格面でも争うことになる。「環境車を制するものは自動車業界を制す」といわれるなか、ハイブリッド業界の王座を狙うレースはますます加速していく。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090312-00000001-sh_mon-bus_all
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