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「開発目標は、ドリフト性能世界一です。ゴルフのスコアで100を切れるくらいの運動能力がある人ならドリフトが決められる、そんなクルマを目指しているんですよ」。「FT-86 Concept(エフティー・ハチロク・コンセプト)」の開発リーダーを務めるトヨタ自動車BRスポーツ車両企画室の多田哲哉チーフエンジニアは、そう語る。

 FT-86 Conceptは、トヨタと富士重工業が共同開発する小型FRスポーツカーのコンセプトモデルで、市販モデルは2011年末に発売と発表されている。ネーミングの「ハチロク」は、83年にトヨタが発売した小型FRスポーツカー「カローラ・レビン」「スプリンター・トレノ」の愛称にちなんだもの。比較的低価格でスポーツドライビングを楽しめるクルマとして、当時の若者たちの人気を集めたクルマだ。

 コンセプトや企画、デザインはトヨタが行い、設計と実験、そして生産は富士重工業が担当。市販モデルはトヨタとスバルの両ブランドで販売する。エンジンはスバル伝統の、水平対向4気筒エンジンを搭載している。

 スバル「レガシィ」や「インプレッサ」の駆動方式は、FFまたは4WDだ。4WDのフロント駆動部分を取り除けばFRになるが、FT-86 Conceptではそうした安易な方法はとっていない。FR専用にトランスミッションを新開発して、エンジン搭載位置も見直しているという。

前後重量配分にこだわってエンジンはフロントミッドシップ方式

 多田氏によれば、「水平対向エンジンのメリットである低重心を確実に生かすために、エンジンの搭載位置をかなり低くしています」とのこと。残念ながら今回はボンネットの中を見せてもらえなかったが、「何ミリ低くしたという具体的な数値は言えませんが、レガシィやインプレッサのエンジンルームを見慣れている人なら、きっとその低さに驚くはずです」という。

 エンジン重心を前車軸よりも後方に搭載するフロントミッドシップ方式にして、運動性能に大きく影響する前後の重量配分にもこだわった。「スポーツカーといえば、前後重量配分50:50が理想的という意見がありますが、それは必ずしもベストではない。バランスをいろいろ変えて、テストコースで走り込みと検証を繰り返して、車両の理想的な挙動を追求しています」(多田氏)。

 水平対向エンジンは、自然吸気4気筒という以外の詳細スペックは未公表だ。だがもちろん、21世紀のスポーツカーにふさわしい環境性能と高出力を達成するために、トヨタとスバルが持つ最新技術を投入する。

スポーツカーらしい馬力と低燃費をレギュラーガソリン仕様で両立

 「排気量は2Lか、2.5Lにするかなどまだ検討中ですが、同じ排気量の実用車向けエンジンと遜色ない燃費を達成する。そして経済性を考えれば当然レギュラーガソリン仕様で、スポーツカーに求められる馬力を実現するのが目標です。そのためにはガソリン直噴システムはもちろん必須で、バルブタイミング制御にも最新の技術を投入します」(多田氏)とのこと。燃費性能向上のために、アイドリングストップ機構の採用も考えているそうだ。

 ショーモデルのトランスミッションは6速MTだが、イージードライブを望む人たちのためにオートマも用意する。「個人的な気持ちとしてはMTだけでいいとも思いますが、市場を考えるとそうもいかない。CVTにするか、通常のATにするか、一番気持ちいいのは何かを考えて決めていきます」(多田氏)。

ターゲットは40~50代の男性、価格は250万円くらい?

 自らレースに参戦する豊田章男社長の意向もあるのか、最近のトヨタは「走る喜び」を積極的にアピールする姿勢が目立つ。今回の東京モーターショーでは、3750万円のスーパースポーツカー「レクサスLFA」を披露したが、その対局にある身近なスポーツカーがFT-86 Conseptだ。

 メインターゲットは40~50代の男性。つまり80年代の若いころに、かつての「ハチロク」に乗っていた、あるいは憧れていた人々だ。「目指すのは、オヤジがカッコよく見えるクルマ。運転するお父さんを見て、息子が自分も乗ってみたい、運転したいという憧れや夢を抱くクルマにしたい」と多田氏はいう。そしてオジサンたちの楽しそうな姿から、若い人にも関心が広がってほしいと考えている。

 気になる価格だが、誰もが現実的に買える価格を実現したいとのこと。「83年発売のハチロクが150万~160万円くらい。そのころの大卒初任給と、今の初任給の比率くらいの値段で出したいですね」(多田氏)という。政府や経団連の調査によると83年の大卒初任給が13万2200円、09年が20万8300円だから、ざっと1.58倍。つまり240万~250万円くらいという計算になる。

 今回の東京モーターショーではホンダからも、来年2月市販予定のハイブリッドスポーツ「CR-Z CONCEPT 2009」が登場した。ハイブリッド車でしのぎを削る両社だが、クルマの「走る喜び」をもう一度世に問いたいという思いが、期せずして一致したようだ。

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20091026-00000301-trendy-ind
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